でらマーケ勉強会Vol.7「マーケティングトレース」開催レポ!

こんにちは!でらマーケ運営担当のふじこです。
先日、コロナ明けのでらマーケ勉強会、第二弾を開催してきました〜〜!

大盛況だった当日の様子を、どどんとレポートしちゃいます!

はじめに

開始の挨拶は、やっぱりこの方。5月だけど夏全開・ASUE代表の安江!

会場も温まったところで(?)、早速勉強会のスタートです。

今回のでらマーケ勉強会は、少人数制のワークショップ形式で実施しました。
講師はvol.6のスペシャルゲストとして来てくださった、ブランディングテクノロジー株式会社の黒澤 友貴さん!!

黒澤 友貴さんご紹介

前回の勉強会が終わった後の飲み会で、「マーケティングトレースの会もやりたいですね〜」なんて話から、今回のワークショップが実現しました!黒澤さん、早速ありがとうございます!!

そもそも、マーケティングトレースって?

「そもそも、マーケティングトレースって何やねん」と思われた、そこのあなた!説明しましょう。

マーケティングトレースとは?
    「マーケティングトレース」は黒澤さんの造語で、「マーケティング」と「トレース(なぞる)」を組み合わせたもの。(トレースという言葉に、「模倣する」という意味を特に込めているとか)名前の通り、成功している商品・サービスのマーケティング戦略を想像し、トレースすることでマーケティングに必要な思考力を鍛えるという学習法です。
ちなみにマーケティングトレースのコミュニティは、2000人以上もの方が参加してるとか。す、すごい。

フジコ

黒澤さんはこの「トレースする」ことの意義を、マーケティング以外の領域における学習方法やトレーニングを例にしてお話されていました。
その一つが、日本の伝統芸能において長らく大切にされてきた「守・破・離」。「守」はお手本や基本を忠実に守ること、「破」はお手本に自分なりの工夫を加えること、「離」はまったく新しい自分独自のものを考えることを意味しています。
黒澤さんいわく、まったく新しいアイデアもまずは模倣から始まるということ、そしてそれはビジネスの世界、マーケティングにおいても共通するのだそう。

黒澤さん

ただ模倣すると一口に言っても、”他の企業が広告を出稿している媒体に同じように出稿しよう”という考えは、決して良い模倣ではありません。

じゃあ、マーケティングトレースで行う模倣って一体・・・!?

黒澤さん、すみません。アホでもわかるように教えてください。

フジコ

黒澤さん

(笑)表面的なことではなく、戦略の裏側まで理解することが重要です。

戦略の裏側とは、企業理念やビジネスモデル、組織文化といった戦略の裏側にある仕組み、価値観のこと。これら全体を観察、分析することで、マーケティング戦略を根底から模倣する力が磨かれ、成功パターンを自らに蓄積し、実務に活かすことができるんだそうです。
マーケティングトレースは、この模倣を通じたトレーニングを多くのマーケターが実践できるよう、検討すべき要件や順序、使うべきフレームワークが体系化されているんです。

実際に高級食パン「乃がみ」などを事例に、マーケティング戦略のトレース&黒澤さんによる解説をしていただきました。

https://twitter.com/fujiko_1019/status/1525407931193237504?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

マーケティングトレースの概念が理解できたところで、いざ実践編です!

実践!マーケティングトレース

東海エリアを代表する老舗企業&急成長中の企業をトレース

実践編では、東海エリアを代表する老舗企業と、急成長中の企業2社のマーケティング戦略をトレース!

老舗企業の例として選ばれたのは、名古屋(全国でも?)で知らない人はいないコメダ珈琲さん。そして急成長中のもう1社は、三重県に本社をかまえるトレーディングカードを扱うカーナベルさんです。

それぞれトレースする企業を選び、マーケティングトレースを実践するもくもく会がスタートしました。

https://twitter.com/dmNagoya/status/1525417884498874369?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

ちなみに、カーナベル社の代表・三浦社長はイベントにも参加してくださっていました!
カーナベル社を選んだ方々からの質問攻めで、三浦社長はワークの間中引っ張りだこ(笑)。参加者の真剣な姿勢に、講師の黒澤さんも感動されていました。

https://twitter.com/fujiko_1019/status/1525425165940576256?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

たっぷり40分弱あったもくもくタイムも、あっという間に終了。
「時間が足りな〜い」という悲鳴も聞こえつつ、いざ、マーケティングトレースの発表へ・・・!

マーケティングトレース、分析結果発表

一人目の発表者は、岐阜から参加のyoshiさん。コメダ珈琲さんのマーケティングトレースについて発表していただきました!
注目ポイントは、競合としてスターバックスを比較対象にしたこと。その上でyoshiさんは、以下の3つをポイントに挙げました。

  • コメダ珈琲が提供している価値は、ドリンクではなく”寛ぎ”
  • スタバとコメダ珈琲の違いは、郊外型で顧客獲得をしていること
  • 路面店が広告塔としての役割も果たしている

yoshiさんは、コメダ珈琲はドリンクではなく、空間を売っていると分析。リラックスできる赤いソファやたくさんの雑誌を置いていることなど、居心地の良い店舗づくりが特徴だと言います。
比較対象に挙げたスターバックスも”サードプレイス”をキーワードとしており、空間を売りにしているものの、メインターゲットは全く異なるアプローチをとっています。スタバはフラペチーノなど都会的でトレンドを意識したドリンクを提供しているのに対し、コメダ珈琲は地域密着型。シニア層が子どもや孫を連れて来ることで、ターゲット顧客が広がっていると分析しました。

https://twitter.com/fujiko_1019/status/1525476850910101506?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

フジコ

短い時間で的確な考察・・・さすがですね!
価値競合を捉え直しているところがとっても良いですね!店舗来店は、目的意識を持って来店するかどうかで変わって来ます。コメダ珈琲の場合は、”2〜3時間過ごそう”というマインドの人が多く訪れています。
滞在時間が長いことがコメダの独自体験なので、ここをもっと掘り下げてトレースできると最高ですね!

黒澤さん

yoshiさん、ナイス分析!発表ありがとうございました!!

続いて、カーナベルさんのトレース事例の発表です!
発表者は、1年前からマーケティングトレースの講座を自主的に受けながら勉強しているという、こまさん。

1年前から・・・!?生粋の黒澤さんっ子ですね。

フジコ

40分という短時間でまとめたとは思えないほど、壮大なマインドマップを使って発表していただきました。
三浦社長にしっかりとヒアリングをした上で、”もしも自分がカーナベルのCOOだったら?”という目線での分析結果を発表!ポイントはこの3つです。

  • 人材不足の課題を分解すると、社内インフルエンサーが必要なのでは
  • 三重県ということを活かして、地方創生のイベントを
  • UGCが生まれる仕組みづくりが素敵!

まず、人材不足という課題について。
こまさんの、「人材が足りていないと感じるのはどんなところですか?」という質問に対して、三浦社長から「イベントをやりたいけれど、できる人がいない」「社内にインハウスのマーケターがいれば、CRMもやりたい・・・」という答えがあったそう。
これに対して、【社内にカードゲーム界のインフルエンサーをつくる】というソリューションを提案されていました。

そして更に、せっかく三重県にあるので、地方創生に繋げても良いのではないか、という提案もありました。三重県には鈴鹿サーキットなど認知度が高い施設があり、大きなイベントも企画しやすいのではという発想です。

そして最後に、消費者行動の視点からカーナベルさんのユーザー心理を分析。
近年はモノ消費ではなく、コト消費⇒モノ消費の導線になっており、特にトレカ業界はアニメが好きで居場所を求めている人が多い。そんなユーザーの心理に対して、カーナベルさんは”居場所づくり”が提供できていて、UGCが生まれる仕組みがつくれているところが特徴&魅力だと発表されていました。

黒澤さん

カーナベルさんはトレーディングカードという裏側にある、組織文化が他社に比べた優位性ですよね。その強みを活かして社内インフルエンサーを育て、ユーザーとの接点を増やしていくという視点、とっても良い戦略だと思います。

せっかくなので、三浦社長からの、本気フィードバックもいただきました!(笑)

カーナベル社・三浦社長より
    1. 短い時間だったけれど、ポイントを的確についたヒアリングをしてもらえたことが良かったですね。おっしゃる通り、トレカ業界は居場所やコミュニティを求めているユーザーに、いかに居場所を提供するかが重要になってくるんです。
      好き嫌いが分かれる領域だからこそ、良いサービスを提供すれば、カーナベルのファンになってもらうことができます。もう少しヒアリングの時間がとれたらもっと深い考察になると思うので、ぜひ今度お願いしたいくらいです(笑)

フジコ

おおお!こまさんへの発注が決定しましたね!?(笑)
ほんとですね!(笑)でも実際にマーケティングトレースを分析してツィートしたら、トレースした企業から問い合わせをいただいて仕事に繋がった、なんてケースもあるんですよ。

黒澤さん

マーケターのキャリアに夢が大きく膨らむ、発表&フィードバックでした!

https://twitter.com/fujiko_1019/status/1525478840369172481?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

こまさん、発表ありがとうございました〜!!

終わりに

地方でのマーケターというキャリア

フジコ

黒澤さん、改めて本日はありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!名古屋でマーケティングトレースを開催するのが夢だったので、本当に嬉しかったです。僕は今、マーケティングトレースforローカルという地方のマーケターを育てるプロジェクトを走らせていて、実は今日も午前中は福島県のイベントをやってました(笑)
地方に行くと、「良いプロダクトはあるけど、伝え方や売り方が間違っている」とか、「地方にはマーケターがいなくて、経営者の決定で動くから、社員が不満を抱えていたり、疲弊している」という話をよく耳にします。でも、マーケティング戦略を考えるのって、何も社長である必要はないですよね。

黒澤さん

フジコ

確かに、社員からマーケ戦略をどんどん提案したって良いですよね。文句を言ってるより生産的です。
そうそう。マーケティング思考を持った人が増えれば絶対に仕事が楽しくなるし、成果にもこだわるようになります。各地でマーケティングに関心がある人がこのマインドで仕事をしたら、確実に日本がよくなる。言い過ぎかもしれないけど(笑)、本気でそう思ってます。
これからもまた、名古屋や東海エリアを盛り上げる活動を継続的に続けていければと思います。ぜひみなさん、今日の内容を持ち帰って、ご自身のキャリアで成果を出していってください。今日は本当に、ありがとうございました!

黒澤さん

黒澤さん、熱〜いお言葉をありがとうございました!
でらマーケのコンセプトとも通ずる想いに、ジーンと胸が熱くなりました。

「マーケティングトレース」をもっと理解したいな〜という方は、黒澤さんが執筆された本があるので、ぜひ目を通してみてくださいね。

「マーケティングトレース」の理解が深まる本はこちら

マーケターになりたての方にピッタリな本はこちら

参加者コメント

参加いただいた方からも嬉しい感想をたくさんいただきました!一部をシェアさせていただきます。

https://twitter.com/fufuinvestor/status/1525441247447752704?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

https://twitter.com/yutagoto0224/status/1525633911447224320?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

https://twitter.com/Satokayo_Biz/status/1525996908463808512?s=20&t=iF1OtTBHGFJHsyjuDg3KuQ

フジコ

う、嬉しい。運営冥利に尽きます・・・!

黒澤さん、改めてありがとうございました!!!

次回予告

でらマーケ勉強会vol.8

そしてそして・・・次回の「でらマーケ勉強会vol.8」のスペシャルゲストも決定しております!

株式会社GiftX Co-founder いいたかゆうたさん&ビタミン株式会社 高梨大輔さん

このおふたりが、スペシャルゲストとして名古屋に来てくださる予定です。

キャリアも、見た目のパンチもすごい!(笑)

フジコ

いいたかさんは出版を予定されている本をテーマに、そして高梨さんはスタートアップ企業のCMOとして上場までグロースさせた経験をもとにお話いただく予定です。

開催時期は10月頃を予定!
twitterにて #でらマーケ勉強会 で発信していくので、ぜひぜひチェックしてくださいね!

以上、「マーケティングトレース」ワークショップの開催レポートでした。最後まで見ていただき、ありがとうございます!
また次回の勉強会でお会いしましょう〜!!